*** 尾瀬 ***
                                             2014.06月
  日帰りで「中参歩こう会」のメンバーと尾瀬に行ってきた。
 例年より早い梅雨に入って、このところ毎日雨である。それも半端ではない雨量である。
 この日だけが奇跡的に雨が降らなかった、日頃の行いがいい訳でもないのに・・・!

 「中参歩こう会」のメンバー10人が2台の車に分乗して、志木ニュータウンを出たの
 は4時半であった。途中上里SAで朝食をとり昼飯用のお握りを購入した。雨を恐れて
 か車は少なく、順調に走って7時前には戸倉の駐車場に到着した。
 
 雨どころか、青空も雲間に見え出すという幸先のいいスタートとなった。標高970m
 の戸倉付近の若葉はまだ柔らかい。片品川を跨いで立派な橋が架けられていて、その先
 に尾瀬第一駐車場がある。ここのトイレは温水洗浄器付きであるので、まだの方はここ
 で済まされた方がよい、老婆心ながら・・・。


 

  今回訪問する尾瀬方面には城は皆無である。戦国時代片品・尾瀬地域は戦略的にさし
 て重要な場所ではなかったのだろう。

  それでも沼田近辺には城址が結構残っている。関越自動車が赤城ICを過ぎてエンジン
 が一段と唸りをあげる頃、短いトンネルに入るがその真上に長井坂城(ながいざかじょ
 う)がある。この城は上杉謙信が毎年のように雪解けをまって三国峠を越えて関東に進
 出し名胡桃城(なぐるみじょう)を攻め、沼田城攻略の拠点としたのがこのトンネル上
 にあった長井坂城である。謙信が1560年(永禄3年)頃この城を築いて沼田城や厩橋城
 (今の前橋)を攻撃した。

  沼田城は真田昌幸が治めた事で知られているが、その支城であった水上の名胡桃城や
 吾妻町にあった岩櫃城(いわびつじょう)も良く知られた城である。池波正太郎の「真
 田太平記」はこの岩櫃城から物語が始まる。名胡桃城は秀吉が定めた「惣無事令(そう
 ぶじれい)」に背いて北条が真田の名胡桃城を攻めた事を口実にして小田原征伐が行わ
 れた事で知られている。秀吉の定めた惣無事令を北条が破ったという口実で後北条氏は
 滅ぼされた。伊達政宗もこの惣無事令を無視したため、秀吉から会津などの領地を没収
 され150万石から72万石に減封されている。

  また岩櫃城は武田勝頼が織田信長に敗れたとき、真田昌幸が勝頼を呼び寄せようとし
 た城であったが、勝頼は甲府から余りにも遠いことを嫌って大月の岩殿城(中央高速道
 が大月に入る直前の右手の小山にある)へ落ちようとしたが家臣の小山田信茂の謀反の
 ため天目山で自刃し武田家の滅亡となったのであるが、もし岩櫃城まで落ちていたらそ
 の後の歴史の展開は異なったものとなったことであろう。(尚、天目山とは甲州市の棲
 雲寺(せいうんじ)のことで、雲取山の近くに聳える天目山ではない)

(wikipediaより武田勝頼討死図)

 


  話を尾瀬に戻そう。
  夏のシーズン中はこの戸倉にマイカーを預け、鳩山峠まではバスか乗り合いタクシー
  になる。鳩山峠に到着してみるとまだ残雪があった。
  2014年マイカー規制 



 

  尾瀬の地図
 
  (尾瀬サイトHPより借用)

  軽く体をほぐしてから山の鼻に向けて3.3kmをだらだらと降りて行く。

   




  早速、草花がお出迎えである。
  オオカメノキ(大亀の木)                       サンカヨウ(山荷葉:山のハスの葉の意))
   

  葉脈のシワが目立ち、形が亀の甲に似ている。              実は食用になる(荷葉はハスの葉)
   


  ムラサキヤシオツツジ(紫八汐躑躅) この白八汐を求めて黒檜山に5月30日に行くも咲いていなかった。
   

   
  八汐躑躅は通常は白と赤である。愛子様の御印は白八汐である、栃木県の県花は八汐
  躑躅となっている。




  エンレイソウ(延齢草)とシラネアオイ(白根葵)。通常は4枚の花びらなので3枚の花びらの右下のは珍しい。
   

   


  コミヤマカタバミ(小深山片喰)                   オオバキスミレ(大葉黄菫)   

  標高1591mの鳩待峠から尾瀬ヶ原へは約190mの下りで、この部分の道が一番の難所   である。それでも山登りには程遠く、ハイキングコースと言ってよい。   ムラサキヤシオやオオカメノキが道の左右に現れる。   

  春の尾瀬は水芭蕉である。尾瀬ヶ原に近づくにつれ水芭蕉が現れ始める。   山小屋付近の水芭蕉は、栄養富化で巨大な葉や花を付けているものもある。   

   オオバタチツボスミレ(大葉立壺菫)                エゾヤマザクラ(蝦夷山桜、大山桜、紅山桜)   

   桜と水芭蕉   

  この木道を突き渡ると至仏山への登山道となる。山の鼻からは登りだけの一方通行である。   登山解禁日は7月1日で、連休明〜6月中はだいたい登山禁止となる。

  樹林帯を少し登ると視界が広がり尾瀬ヶ原を展望できる。 
2013夏の登山記

     山の鼻小屋には天皇陛下が昭和27年に宿泊されたそうです。天皇陛下は至仏山で3月に   春スキーをされたそうです。   (山の鼻小屋HPより借用)

  さてここから尾瀬ヶ原の木道を歩く事になる。   

  全員、歩く気力満々である。皆還暦をとっくに過ぎたのに子供の「遠足気分」だ!   

  リュウキンカ(立金花)。茎が立って花が金なので立金花だそうです。   

  リュウキンカと水芭蕉。水芭蕉は葉が芭蕉に似ていて、水辺に生えるから”水芭蕉”。   白いのは花ではなく、蕾を包んでいた葉で仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる。花は屹立   している緑のもの。   

  流れに沿って水芭蕉が咲く。   

  木道を竜宮十字路へ向かう。   

  振り返れば至仏山がその全貌を表しつつある。   池塘(ちとう: 泥炭地の中にある小湖沼)に空が映し出される。

  タテヤマリンドウ(立山竜胆)   

  ワタスゲ(綿菅)とヒメシャクナゲ(姫石楠花)   

  竜宮の近くで一休み、まだまだ皆元気。   

  至仏山と水芭蕉   このビューポイントは森本さん推薦のか所。   

  燧ケ岳も少しずつ近づいてきた。   竜宮十字路でやや疲れた組は左折し、もうすこし元気な組は下田代十字路へ向かう。   

  尾瀬小屋の前を左折し、赤田代分岐へ向かう。右はヘビグサ(蛇草/浦島草)の芽、秋に赤い実をつける。   

  燧ヶ岳が眼前に迫ってきた。この辺りは福島県である。   ここへは大清水からか、福島県側の沼山峠から登るルートがある。大清水から往復9時間で日帰り可能。

  イチリンソウ(一輪草)一輪づつ咲くのでこの名前が付いた。        右は立山竜胆。   

  ショウジョウバカマ(猩々袴)花の赤が猩々(オランウータンに似た中国の伝説の動物)に似ている。 コバイケイソウ(小梅尅吹j   

    ミツガシワ(三柏、三槲)、水半夏とも呼ばれ、薬草にもなる。   

  赤田代分岐で左折して東電小屋へ向かうと彼方に至仏山が視野に入ってくる。   

  奥只見湖に流れ入る只見川を渡る。ここは新潟県である。この2km下流に三条の滝がある。   

  東電小屋は当然ながら東電が運営管理している。鶺鴒に似た鶏が餌を咥えていた。   この小屋を舞台にしたTVドラマがあり、同期入社した同僚のご子息である(中島大介君)   が出演していた。彼はNHK大河ドラマや劇団四季などでも活躍したものだが・・・。   

  ヨッピ橋を渡って昼食を摂る。   

  燧ヶ岳が池塘湖面に映っている。

  ここにも水芭蕉の群生地がある。

  牛首分岐まで帰ってきた。                       ここら辺りから人もぐっと増えて行列になる。   

  山の鼻から鳩待峠へは緩い登り、休憩しながら一歩づつ登って行った。    やっと鳩町峠に到着した!   

  全員ほぼ予定通りに歩けた。皆充実感に溢れている。

  帰路、老神温泉の「湯本華亭」で温泉に入り、運転者以外はビールとそばを注文した。   この温泉は日帰り専門で宿泊は出来ないのだそうだが、片品川のせせらぎを聞きなが   らの一杯はまことに結構なものです!   

          余談ですが、当日鳩待峠から山の鼻に降りる道は前日までの雨で濡れて滑りやすくな   っていたため誰かが滑落したらしくヘリコプターで救助さと聞いた。その救助のため   のヘリコプターの機影らしきものが偶然映しこまれていた。      因にヘリコプターで木道のカラマツを運搬する料金は1回20万円だそうです。ヘリ   コプターで救助されるとお金も相当かかるようですので、安全に気を付けなければな   らない。   木道は全体で60kmあり、10年毎に取替えられ1m当たりの取り替えに12万円   掛かるので全体では72億円ものお金が必要となる。現在は東電が20kmの木道の   施設管理をしているが、原発事故の影響で予算が減らされ今後の対策が必要とされて   いる。    終わり *****************************************************************************************
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